腸内細菌の乱れ 小腸でのバクテリアの過剰繁殖

 小腸に細菌が大量に繁殖したり、本来は無害なはずの大腸菌が小腸にコロニーを形成したりすると、深刻な消化器系疾患を伴う細菌生態系の恒常性の乱れにつながります。
小腸の細菌異常増殖の典型的な症状には以下のものがあります。

  • 腹部膨満を伴う過剰なガス発生
  • 鼓腸
  • 腹部圧迫感
  • 下痢、腹痛

 未治療の小腸での細菌コロニー形成では、通常、体重減少を伴う慢性的な消化不良・吸収不良症候群を引き起こします。吸収不良が続くと、ビタミンD、K、A、B12が十分に吸収されず、骨軟化症、血液凝固障害、夜盲症など、さまざまな症状が現れるようになります。
 腸内の消化機能を調べる検査には水素呼気検査が挙げられます(水素呼気検査をご参照ください)。
 治療は、主に抗生物質を使用します。治療効果は、治療開始後1週間以内に下痢や腹部症状が減少し、次第に脂肪やビタミンB12の吸収が改善されてきます。多くの患者様は、抗生物質を7〜14日間服用した後、数ヶ月間は症状がなくなります。

  • Rifaximin 2×600mg p.o.の投与 7日から14日間

 リファキシミンという抗菌剤や、ネオマイシンやパロモマイシンなどの抗生物質は、腸から吸収されません。
 もう一つの治療法は、プロバイオティクスの処方で、場合によっては抗生物質と併用することもあります。残念ながら、これに関する体系的な研究はありません。このデータは、異なる乳酸菌の株を含む製剤の使用に最も有効です。臨床研究によると、初期治療にはプロバイオティクスよりも抗生物質の方が効果的であることが分かっています。臨床では、まず抗生物質を短期間投与し、その後プロバイオティクスを継続するという方法が一般的です。

https://www.springermedizin.de/emedpedia/dgim-innere-medizin/bakterielle-fehlbesiedelung-des-duenndarms?epediaDoi=10.1007%2F978-3-642-54676-1_298